友人三人連れだってのキャンプらしい。
浅瀬があり、その先はちょっとした深みのある割と大きな川のそば。
見た目ゆっくりと流れている川だが、底の方は結構流れが速くなっているようだ。
暑いのか誰かが河原で寝ようと言い出した。
自分は抵抗もなく賛同。
三人川の字になって寝る。
しかし最初河原だと思っていた所が、気づくと川の浅瀬になっていた。
体の下を通る水音が ちょろちょろ と聞こえてくる。
それでも何故か濡れていない。
まぁ、いいか、眠いし。
うつらうつらしていると、隣の友人が抱きついてきた。
昔からそういう癖のある男なので、またか、と思いながら邪険にふりほどく。それでもしつこく腕を回してくるのでいい加減腹が立ってきた。
何度か繰り返すうちに静かになったのでこちらも安心し、体にかけていたポンチョを頭までかぶり、改めて寝る体勢に入る。
どこからか、川の流れる音とは違う水のはねる音、いや水をはじく音が聞こえてきた。そして浅瀬の砂利を踏む音も…
何かが水から上がってくる。
ゆっくりと、着実に自分に向かって。
怖くて確かめる勇気が出ない。
ポンチョの下の暗闇で神経を研ぎ澄ませ、息を殺す。
突然。
その何かが体に上ってきた!
瞬間、その何かが何なのかわかってしまった。
ワニだ!
そうだ、この川にはワニが居るんだった。
自分のうかつさを呪いながら、なんとか逃げだそうとするが体が動かない。声も出ない。
あぁ、金縛りだ。
自分の声で目が覚めた。
右手は胸の上、左手は頭の上に。
がちがちに硬直していた。
夢の中ではなく、ほんとうに金縛り状態だった。
外はまだ暗い。
5時くらいか。前回は4時半だった。
それにしても何故川の在るところばかりなんだ?
暗闇の中で考えた。
水難の暗示か?
その時水の流れる音が耳に届いてきた。
氷解した。
何日か前、水槽に濾過器を設置した。
その水の音が寝ている脳に忍び込み、悪さをしていたみたいだ。
寝るときには気にならず、すぐに寝付いていたので考えもしなかったが、けっこうストレスになっていたか。
今夜は水の音が出ないようにちょっと細工してから寝るとしよう。
それでも夢を見たら?
しばらく川には近づかないようにしようか。
夢一夜 其の二
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